「働きたくない!」は今も昔も当たり前の気持ち。『勤勉』な日本人が知りたい対処法4つ

働きたくない

「もう働きたくない!」

誰もが一度はそう感じたことがあるかと思います。

だけど周りで働くを見ると、「みんな頑張っているし、なんとかしなきゃ」と焦る気持ちばかり湧いてきてしまいますよね。

とくに日本人は「真面目」「勤勉だ」と言われることも多いので、真面目な自分を演出してしまい、窮屈な思いをしている人も多いはず。

そんなあなたに知ってほしい解決策をこの記事では紹介します。

日本人の87%は「働きたくない」と思ったことがある

1,000人の男女を対象に行われたBiz Hitsの調査によると、実に87%の日本人が働きたくないと感じたことがあるようです。

これを聞くと、「働きたくないと思うのは、自分だけじゃなかったのか」と安心することでしょう。

しかし「日本人は勤勉」なイメージがあり、日本国内外でもこのことは認知されています。

このイメージに引っ張られてしまい、プレッシャーに感じる人も多いのではないでしょうか。

日本人自身も「勤勉」な自覚はある

また「勤勉だ」と言われる日本人自身も、「自分たちは勤勉だ」と自覚があるようです。

1970年代から2000年代にかけて行われた、「日本人についてのイメージ調査」でも、40年間ものあいだ「勤勉」が1位をキープしています(参考)。

また他国から見た日本人のイメージ調査でも、韓国、フランスなどの諸外国からも「勤勉さ」が日本人のイメージとして最も強く根付いています。

「勤勉さ」こそが日本人らしさ?経済発展を支えた国民性

「もはや戦後ではない」

1956年度の経済白書でこのように表現されたように、日本は焼け野原から数年で戦後復興を完了します。

世界に例を見ない経済成長によって、1968年に日本の国民総生産は資本主義諸国のなかで米国についで第2位となり、「経済大国」に発展しました。

この経済成長を支えたのは、紛れもなく「企業戦士」「モーレツ社員」と形容されるサラリーマン層でした。

経済成長の裏にある公害病などの負の遺産も見逃せませんが、真面目で勤勉な日本人がこの国を発展させたことは紛れもない事実です。

もともと日本人は怠惰だった? 「勤勉」は作られたイメージ説

経済発展を支えた日本人の性質、自国民の認識などを見ると、「不真面目」とは対極にある国民性に思われます。

実際、明治期に日本を訪れた外国人は、日本人の真面目さや勤勉さについて言及しています。

「(日本の)職人は自分の労働に対して情熱を持っていて、彼は自分の作っていたものがかれを満足させ るほど完全な状態になるまでは、仕事を止めようとしなかった」

(スイスの外交官エイメー・アンベール)

一方でパーソル総合研究所の小林祐児氏や、東京大学名誉教授で、『仕事と日本人』(ちくま新書)の著者の武田晴人氏は、日本人=勤勉説を否定しています。

この数十年間ものあいだ、確かに日本人の勤勉イメージは国内外に広く染み付いているようです。

しかし、結論を先取りすると、この「勤勉さ」は、その内容が「勉学」を意味していても、「仕事」を意味していても、日本人元来の性質とはいえません。

小林祐児

これ(日本人が勤勉というイメージ)は勝手な思い込みにすぎません。

幕末に来日したヨーロッパ人が「こんなに怠け者が多い国はない」と書き残したくらいですから。

武田晴人

「勤勉」と「不真面目」、どちらが正しいのでしょうか?

結論言うと、この国には勤勉な人も、そうでもない人もいたというのが答えでしょう。

リクルートマネジメントソリューションズの古野庸一氏は江戸時代の日本人について、労働時間は長かったが、ほとんどの時間を遊んで過ごしていたことから、「勤勉な人も多かったが、効率的な働き方はしていなかったのでは?」と推測しています。

「働きたくない」……そう感じたら昔の人はどうしていた?

今日では「勤勉」なイメージが持たれており、なんとなく「真面目さは日本人に備わった性質の一つ」と思ってしまいがち。

ですが、昔も働きたくないと感じている人たちは当然いました。

明治・大正時代……「働きたくない」と感じたら転職するのは一般的だった

富岡製糸場

意外かもしれませんが、明治・大正時代では「もうこの職場で働きたくない!」と感じたら、転職をするのは当たり前でした(杜新 「「日本人の労働観」研究の歴史的変遷–その位相と今日的課題」(慶應義塾大学社会学研究科社会学専攻博士課程 、2001年、41頁

とくに工場勤務の場合だと労働時間も長かったことから、労働者はよりよい賃金と環境を求めて離転職をしていたそうです。

対して工場の経営者も労働規約を作るなどして、労働者が離れるのを防いでいました。

戦後の高度経済成長期においても「働きたくない」日本人は存在した

時代は代わり、戦後の時代になると日本人の労働観が変化します。

大企業を中心に企業の雇用の伸びも著しくなり、労働力不足が叫ばれるようになりました。

その結果として終身雇用や年功序列制が確立し、それにともない労働者の労働観も変化が生まれていきます。

しかし「モーレツ社員」の高度経済成長期においても、「働きたくない」と感じていた会社員も当然います。

とくにこの当時でも比較的若い人々は、企業に対しての帰属意識は低く、会社に対して批判的だったことが明らかになっています(参考)。

この当時は企業への定着率や低い定着率が時代でしたが、仕事が好きでなくてもその仕事を続ける傾向がありました。

その理由として、大企業だけでなく中小企業までも年功序列制を採用していたことから、「転職をするリスクの方が大きかった可能性が高い」、と慶應義塾大学の杜新氏は指摘しています。

つまり転職をしても不満に感じる状況が変わる訳ではなく、働きたくないと思っても現実的な判断から今の会社に居座っていたと考えられます。

現代の日本人が働きたくないと思う理由と解決策

価値観が多様化し、離転職が一般的になった現代では「働きたくない」と感じる理由も多種多様です。

理由1.純粋に仕事が楽しくない

「全く面白みを感じられなくて、仕事をしたくない」

「単純作業ばかりで、やりがいを感じられない」

今の仕事が楽しくないと、働きたくないと感じるきっかけになります。

「毎日仕事が楽しい」と感じる人ばかりではないかもしれませんが、少しでもやりがいや楽しみを持てないと仕事へのモチベーションが下がっていくでしょう。

理由2.自分の理想と現実にギャップがある

また自分が今していることと本当にやりたいことにギャップがあるときにも、働きたくないと感じてしまいます。

たとえば同僚の活躍を見て、「なんで自分はこうなんだ」と感じたときに、そこから自分を奮い立たせられる人と、モチベーションが下がってしまう人がいます。

後者の場合、どんどん落ち込んでしまい、仕事をしたくないと感じるきっかけに繋がってしまいます。

理由3.賃金に不満があり、モチベーションが下がっている

また会社から貰っているお金に納得がいかない場合も、働きたくないと感じる要因に繋がります。

報酬が成果より低いと、会社から認められていないと感じてしまい、仕事のモチベーションが下がってしまいます。

理由4.職場環境に不満がある

「同僚や上司と馬が合わない」

「周りの人もイキイキと働いていないんだよな……」

こんな理由で、もう働きたくないな……と感じる人もいます。、

ハーバード大学のニコラス・A・クリスタキス教授によると、付き合っている人の幸福度は伝染するようです。

つまり、職場に不満が多い人がいる環境にいると、あなたにもその不満が伝染してしまっている可能性があります。

理由5.働く意思がない/お金を稼ぐ意欲がない

そもそも働く意思がなく、本当に最低限のお金さえあれば良いと考えている人もいるでしょう。

理由6.仕事の量が多い

仕事の量が多くて、勤務時間内に終わらないタスクを抱えると心理的ストレスに繋がります。

仕事に過度にのめり込み、一生懸命働くことをワーカホリズムといいます。

仕事に没頭しているため、高い成果が得られる可能性があるメリットもありますが、没頭する時間が続くと、心身の健康を害することにつながりやすいと筑波大学の大塚泰正准教授は指摘しています。

働きたくないと感じたときに検討したい4つの行動

行動1.休暇を取る

「仕事をしたくなくてストレスが溜まっているときに効果的なのが、休暇を取ることです。

なぜなら、休暇を取ることで普段は自己防御の態勢にある体がほぐれるため、ストレスのレベルが低下するからです(参考)。

緊張感がなくなることで、日頃考えることもなかった自分の仕事や将来のことを考える余裕が生まれるかもしれません。

行動2.転職を検討する

そのため、会う人や住んでいる環境を変えることによって、今の人生を変えることもできます。

新しいキャリアを歩むことで、新しい人脈が作ることができ、視野が広がる可能性もあります。

また給料に不満がある人も、転職をすることで満足のいく給料をもらえたことで働く意欲がアップする可能性もあるでしょう。

行動3.スキルアップに勤しむ

今あなたの仕事が楽しくなくて、やりがいを感じていないなら、とにかくスキルをあげることを意識するのもポイントです。

スキルアップ強化に力を注いだ分パフォーマンス性が上がった結果、会社の信用が上がり、新しい仕事を請け負うこともできるでしょう。

行動4.仕事とは関係ないところで楽しみを持つ

「全然仕事が面白くない」と感じてしまう人は、仕事とは関係ない趣味を見つけてみるのも一つの手です。

なぜなら、新しい趣味を持つことで、自分の人生を変えるきっかけになるかもしれないからです。

また面白いことに、趣味がある人ほど「長生きしたい」と感じ、実際に長生きしている傾向にあります。

働きたくないと感じているあなたでも、プライベートの時間でやりがいを見つけることで、仕事にも今後の人生にもプラスになるかもしれません。

まとめ

今回の記事では、「働きたくない」と悩んでいる人たちに向けて、働きたくない理由とその対処法について整理しました。

  • 働きたくないと感じたことがある日本人は87%もいる。
  • 働きたくないと思う人は昔もいて、時代によって対処法も異なった。
  • 現代では、働きたくないと感じる要因はいくつかあり、純粋に仕事が楽しくないなどの理由から、仕事にモチベーションが低下している人もいる。
  • もし働きたくないと感じているなら、(1)休暇を取る、(2)転職を検討する、(3)スキルアップに励む、(4)趣味を持つなどの対処法が解決するきっかけになるかも。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事の参考文献

リンハルト・セップ「明治・大正期の西洋人の日本見聞記の中に見られる日本人の労働観・遊び観」(『日本人の労働と遊び・歴史と現状』)。

杜新 「「日本人の労働観」研究の歴史的変遷–その位相と今日的課題」(慶應義塾大学社会学研究科社会学専攻博士課程 、2001年)。

大塚泰正「働く人にとってのモチベーションの意義 ─ワーク・エンゲイジメントとワーカホリズムを中心に」(『日本労働研究雑誌』、2017年7月、64-67頁

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